この記事では2021年に日本国内で販売されたアイリッシュウイスキー「バスカー」を実際に飲んだ評価レビューを紹介しています。
個人的なテイスティングノートやおすすめの飲み方も紹介しているので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
バスカー(BUSKER)とは
バスカーはアイルランドの東部地域、カーロウ州にあるロイヤルオーク蒸留所で生産されているアイリッシュウイスキー 。
ロイヤルオーク蒸留所は2016年から稼働されたばかりの新参ウイスキー蒸留所ですが、2021年には緑色のボトルが特徴的なブレンデッドウイスキーのバスカーを発売。
続く2022年には、青色のボトルが特徴的なシングルモルト、赤色のシングルグレーン、灰色のシングルポットスチルのバスカーが発売されています。
バスカーに使用されている原酒は、すべてロイヤルオーク蒸留所で蒸留熟成がおこなわれた物を使用。熟成に用いられている樽は下記の3種類です。
バスカーに使用されている熟成樽
・バーボン樽
・シェリー樽
・マルサラワイン樽(イタリアの酒精強化ワイン)
定番商品であるブレンデッドのバスカーには上記3種類の原酒を使用していると蒸留所公式が公表しています。
他ラインナップのバスカーは種類によって異なる熟成樽を使用しており、シングルモルトのバスカーであれば、バーボン樽とシェリー樽の2種類の原酒のみを使用。
(ラインナップ毎の使用樽については後ほどレビューの項目で詳しく解説したいと思います)
日本では販売直後から非常に完成度の高い味わいが注目され、あらゆるネットショップでおひとり様1本限りなどの購入制限がもうけられるほどの人気になりました。
アイルランドで唯一!ロイヤルオーク蒸留所とは
先ほども述べたとおり、ロイヤルオーク蒸留所は、2016年からアイルランド東部で稼働されているウイスキーの蒸留所。
そんなロイヤルオーク蒸留所ですが、アイルランド国内のウイスキー蒸留所としては唯一無二と言われる特徴を持っていることで知られています。
それは、シングルモルト、シングルグレーン、シングルポットスチルすべての生産ができる唯一の蒸留所ということです。
ウイスキー界において、シングル表記をするためには単一の蒸留所で作られた原酒のみで生産することが規定として定められています。
分かりやすく説明すると、1つの蒸留所で蒸留されたモルト原酒だけで作ればシングルモルトウイスキーを名乗ることが可能です。
が、そこに違う蒸留所のモルト原酒を混ぜて作った場合はシングル表記ができません。
そして、モルト原酒、ポットスチル原酒の蒸留にはポットスチルが必須。グレーン原酒の蒸留には連続式蒸留が可能なコラムスチルが必須となっています。
以上のことからシングルモルト、シングルグレーン、シングルポットスチルすべてを作るためには、1つの蒸留所内にポットスチルとコラムスチルどちらも存在しなければなりません。
どちらのスチルも相当なサイズですし、製法も異なることから多くの蒸留所は、モルト原酒とグレーン原酒の蒸留所を分けることを基本としています。
ジャパニーズウイスキーのサントリーで言うところの、山崎蒸留所(モルト原酒専用)、白州蒸留所(モルト原酒専用)、知多蒸留所(グレーン原酒専用)といった感じ。
そんな常識をくつがえし、1つの蒸留所ですべての製造を可能にしてしまったのがロイヤルオーク蒸留所。
そのため、現在販売されている緑色のバスカーはブレンデッドウイスキーとして売り出されていますが、正確にはシングルブレンデッドウイスキーということになります。
バスカー(BUSKER)ブレンデッドウイスキー 味の評価
テイスティングノート
(※写真はハイボールですがストレートのテイスティング評価です)
香り:トロピカルフルーツ、ローズマリーなどのハーブを彷彿とさせるスパイシーな香辛料
味わい:プラム、ぶどうとレーズンの中間のような果実感、ほんのりシナモン、まろやかで甘い味わいが口に広がる
余韻:嫌味のないフレッシュな苦味がほんのり続く
2000円くらいの低コスパウイスキーとは思えないほど完成度の高い1本。
アイリッシュ特有のトロピカルフルーツの華やかな香味、バーボン樽原酒由来のプラムの果実味やフレッシュな口触り、シェリー樽原酒とワイン樽原酒のフルーティなぶどうの味わいが絶妙にマッチングしています。
甘みが強く非常に飲みやすいウイスキーで、これという欠点が見つからないかなという印象。
強いて言うなら、後味から余韻にかけてほんのりアルコールの風味を感じるくらいでしょうか。(※開栓から時間が経過すれば無くなる可能性も全然ある)
価格的にも購入しやすいので、まだ飲んだことがないのなら、個人的にゴリ押ししたいウイスキーの1本です。
バスカー(BUSKER)シングルモルトウイスキー 味の評価
テイスティングノート
香り:トロピカルフルーツやリンゴ、華やかでほんのりスパイシーな香辛料
味わい:プラム、ぶどうとレーズンの中間のような果実感、洋ナシ、ほんのりシナモン、
余韻:フレッシュな感触、甘くビターな苦味がしばらく続く
公式のコメントを見たところ、シングルモルトのバスカーにはマルサラワイン樽原酒が使われていないようです。
ですが、基本的な味の構成は緑のブレンデットにかなり似ているかなという印象。
緑バスカーの特徴でもある ぶどうとレーズンの中間のような味わいは、マルサラワイン樽原酒由来のものだと思い込んでいました。しかし、こちらのシングルモルトバスカーからもその風味をしっかりと感じ取ることが出来るため、他の要因があるのかもしれません。
例を挙げるならば、シェリー原酒にバーボン樽由来のプラム、シナモンの風味が絶妙なバランスで混ざうことで生まれるシナジーといったところでしょうか。
実際に飲んでみた感想としては、シングルモルトのバスカーも非常に美味しいです。
しかし、入手難易度がかなり高いこともあり、日常飲みを考えるならば緑バスカーで良いんじゃないかと思います。
酒屋でたまたな定価で売られているのを見かけたら購入推奨です。
バスカー(BSUKER)シングルグレーンウイスキー 味の評価
テイスティングノート
香り:アロマなハーブ、キャラメル、栗の花、ほんのり塩気を感じる出汁
味わい:キャラメル、甘い蜜、ほんのり果実のぶどう
余韻:木の皮を彷彿とさせるオークの心地よい苦味が舌に残る
バーボン樽とマルサラワイン樽で熟成された2種類の原酒をヴァッティングして作られたシングルグレーンウイスキー。
口触りはみずみずしくクリーミーで刺激少なめ。ほどよい甘さを感じるライトで優しい感触が特徴。
味わいとしてアルコールの風味をしっかりと感じますが、ストレートでも普通に飲めるバランスの良いグレーンウイスキーという印象です。(※開封直後だからの可能性もある)
決して悪くはないものの、他のブレンデッド・シングルモルト・シングルポットスチルのバスカーと比較してしまうと、そちらの方が美味しいなと個人的に思いました。
バスカー(BSUKER)シングルポットスチルウイスキー 味の評価
テイスティングノート
香り:フローラルな甘い蜜、上品なレーズンの果実香、ほんのり焦がしたカラメル
味わい:プラムやレーズンの果実味、みずみずしい白い花を彷彿とさせるクリーミーな麦
余韻:熟したプラムの味わい、なめらかでクリーミーな感触がしばらく続く
バスカー特有のフルーティな果実風味をしっかりと感じる1本。
公式の発表を見る限り、バーボン樽とシェリー樽で熟成された2種類の原酒をブレンドして作られたシングルポットスチルウイスキーのようです。
口触りはトロっとしていてなめらか、強い甘みとピリピリとしたスパイシーな刺激が特徴。
後味から余韻にかけてアルコールの風味はほんのり感じるものの、特に気になるほどではない印象。
この価格帯でシングルポットスチルウイスキーが発売されることにまず驚きですが、味の完成度も非常に高く、定価で見つけた際にはぜひ購入をおすすめしたいウイスキーです。
バスカー(BSUKER)おすすめの飲み方
バスカーのおすすめの飲み方はロック、もしくはハイボール。
個人的にはストレートでも全然美味しいという評価ですが、飲みやすさを考えるならロックやハイボールの方がまろやかで良いかと思います。
ただしハイボールで飲む際には注意点が1つ。それはバスカーがシェリー原酒やワイン原酒を含んでいるウイスキーという点です。
ぶどうの風味をしっかりと感じるのがこのウイスキーの良いところ。しかし、シェリー系ハイボールの独特な味わいが苦手という人も意外と多いのも事実。
私の感覚としては、バスカーはシェリー系ハイボールの嫌なクセが全然気にならないレベルですが、抵抗のある方はロックで飲むことを推奨します。
低コスパの価格帯ではトップクラスにおすすめのウイスキーなので、気になったらぜひ一度飲んで見てくださいね。
コメント
久しぶりのウイスキー記事投稿、嬉しいです!
>> りゃまがた さん
コメントありがとうございます!!
そう言っていただけると嬉しいです!