この記事ではジャパニーズウイスキー「富士」を実際に飲んだ評価レビューを紹介しています。
個人的なテイスティングノートも載せているので、よろしければ参考にしてみてくださいね。
キリンウイスキー富士とは
ウイスキー富士は飲料水で有名なキリンビールが生産販売をおこなっているジャパニーズウイスキー。
2020年4月にシリーズ初となる「シングルグレーンウイスキー富士」を飲食店向けに販売開始。
世界的に有名なウイスキーの品評会で金賞を受賞した後、2021年2月に同商品の全国販売が開始されました。
続く2022年6月には新商品となる「シングルブレンデッドウイスキー富士」が登場しており、今後が非常に期待されているジャパニーズウイスキーです。
実店舗への供給も安定してきており、入手難易度が高いジャパニーズウイスキーの中では、手に取りやすい点も非常に助かります。
キリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所とは
キリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所は、静岡県の御殿場市にあるウイスキーの蒸留所。有名な御殿場プレミアムアウトレットから8.5kmと比較的近くにあります。
ジャパニーズウイスキー大手3社の1つである「キリングループ」が所有しており、一般的に珍しいと言われるグレーンウイスキーを主力商品として生産販売をおこなっています。
自社でグレーンウイスキーの製造が可能な日本のウイスキー蒸留所はサントリー、ニッカ、キリンの大手3社のみという時点でかなり希少ですが、ライバル2社がモルトウイスキーに主力を置いていることを踏まえると良い差別化になっているのかもしれません。
御殿場蒸留所で作られているウイスキーの銘柄としては富士の他に「陸」、「富士山麓」などが存在します。
ウイスキー富士の種類
ウイスキー富士の種類は大きく分けて2種類。
シングルグレーンウイスキー富士、シングルブレンデッドウイスキー富士の2つです。
限定生産品として長熟タイプ(熟成年数が長い原酒)の富士も存在しますが、基本的には上記2種類の延長線上の商品となっています。
限定生産品の富士に関しては私自身も飲んだことがないので、後ほどキリン公式が発表しているテイスティングノートを簡単に紹介させていただきます。
シングルグレーンウイスキー富士 味の評価レビュー
テイスティングノート
香り:熟したプラム、フローラルな蜜、レモンピール
味わい:洋梨やリンゴのフルーティな風味、香ばしい芳醇な穀物、蜜感のある水みずしい白い花
余韻:刺激は強いが舌に残る感触はまろやか、酸味のあるホットでフルーティな風味がほのかに残る
色は赤みがかった琥珀色、ブレンデッドの富士よりも色が濃いです。(スマホ撮影の画質では分かりづらいですが。)
香りはフルーティかつフローラル。ほのかに酸味を感じるスッキリとした心地よい香味が特徴です。
口に含んだ際のファーストアタックは、ほんのりトロッとしたオイリーな口触りで甘くドライ。次第にスッキリとした爽やかな感触へと変化して行きます。
味わいはグレーン原酒特有の甘い穀物感がしっかりとあり、ほんのりチョコレートや栗の花を彷彿とさせるような水みずしくクリーミーな味わいを感じます。
後ほど紹介しているブレンデッドの富士も美味しいですが、個人的にはグレーンの富士のほうが好み。というか、グレーン富士の完成度が非常に高いです。
ジャパニーズウイスキーの基準を満たしたグレーンウイスキーは現状、サントリーの「知多」、ニッカの「カフェグレーン」、いま紹介しているキリンの「富士」の3種類。
そしてその3つの中でも個人的に富士が一番好みです。
価格は決して安くないものの「ジャパニーズのグレーンウイスキーの中でおすすめは?」と聞かれたら、私は富士と答えます。
気になる方には、ぜひ1度飲んでみることを推奨するウイスキーです。
シングルブレンデッドウイスキー富士 味の評価レビュー
テイスティングノート
香り:メロン、クリームビスケット、プラム、フルーティな甘い蜜香
味わい:塩気を感じる甘くまろやかな蜜、水みずしい白い花、プラムのフレッシュな酸味、ほんのりまろやかなカスタードクリームとスパイス
余韻:嫌味のないホットなスパイスの刺激、柑橘類を豊富とさせるフレッシュな酸味がしばらく続く
色はグレーンの富士ほど赤くはないものの、濃い琥珀色。
香りはフルーツやお菓子を想像させる甘い風味がメイン。
口触りはトロッとした粘性があり、どちらかというとヘビー。
塩気と甘みが混ざり合う不思議な味わいで、ほどよいスパイスの刺激が心地よいです。
味わい的にはグレーンの風味がかなり強く、モルトとグレーンのブレンド比率はモルト3グレーン7くらいではないかと思います。
2022年6月に発売されたニュータイプの富士ですが、注目すべき最大のポイントはシングルブレンデッドウイスキーという点でしょうか。
シングル表記をするためには、1つの蒸留所の原酒のみでヴァッティング、もしくはブレンドをおこなわなくてはいけないというルールが存在します。
モルトウイスキーとグレーンウイスキーは製造方法や使用機材が違うこともあり、製造は蒸留所ごとに分けるのが基本。
1つの蒸留所でモルトとグレーンの両方を製造している企業は非常に珍しいです。(サントリーで言うとモルトは山崎蒸留所、グレーンは知多蒸留所といった感じ)
おそらくジャパニーズウイスキー界で唯一シングルブレンデッドの製造をおこなえるのが、富士御殿場蒸留所ではないかと思います。
味わいの完成度もかなり高く、開封直後でありながらストレートでも普通に美味しくいただけました。
シングルグレーンウイスキー富士30年 味の評価レビュー
キリン公式が発表しているテイスティングノートを引用させていただきます。
【トップノート】
ナッティで黒蜜のような甘く芳ばしい香りの中に、完熟果実やドライフルーツの香りが立ち上ります。【パレート】
口当たり柔らかく、重厚で凝縮した味わいです。ハチミツのような甘さとともに、ビターチョコレートのほろ苦さを感じ、ほどよいウッディさが後味をひきしめます。【フィニッシュ】
https://drinx.kirin.co.jp/whisky/fj/sg30/
長期熟成グレーン特有の重厚で複雑な香味の余韻が長く続きます。
2020年9月にキリンのオンラインショップにおいて数量限定(数は非公表)で発売された富士シリーズの中でも最高峰の1本。
使用されている原酒の最低熟成年数が30年、中には40年近く熟成された長熟原酒も含まれる希少なウイスキーです。
販売価格は275,000円(税込)と非常に高価だったものの、2022年現在は売り切れて購入が不可となっています。
【販売ページ】
DRINX シングルグレーンウイスキー 富士 30年
シングルブレンデッドウイスキー富士 2022マスターピース 味の評価レビュー
キリン公式が発表しているテイスティングノートを引用させていただきます。
【トップノート】
カスタード、ダークチョコレートの甘く凝縮した香りの中に、長期熟成ならではの香木を想わせる香りが仄かに立ち上る甘い熟成香の後には、ダークチェリーや、熟したイチゴのような赤い果実に黄桃、アプリコットのフルーティな香りが感じられる。
【パレート】
口中では、長熟シェリーを想わせる香りや、ライ麦パンのような香ばしくスパイシーさが心地よく、仄かに金木犀やライチのようなフローラルさも感じられる。https://drinx.kirin.co.jp/whisky/fj/sbmp2022/
【フィニッシュ】
程よい甘味と酸味の後に、心地よいウッディさと熟した果実の香りの余韻が長く続く。
バーボン樽で熟成された原酒をキーモルトに、ビール樽原酒、赤ワイン樽原酒などをブレンドした長熟タイプのシングルブレンデッドウイスキー。
ブレンドに使用されている原酒の中には30年以上熟成された物も含まれており、キリンの本気度がうかがえる1本となっています。
2022年3月にキリンのオンラインショップで約1,000本限定で販売された商品ですが、価格が54,780円(税込)と非常に高価なこともあり、2022年8月9日現在でもまだ購入することが可能です。
【販売ページ】
DRINX シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー富士 2022マスターピース(700ml)
ウイスキー富士 おすすめの飲み方
富士のおすすめの飲み方はストレート、もしくはハイボール。
グレーンの富士、ブレンデッドの富士どちらも甘くなめらかな味わいで、ストレートでも美味しく味わうことが可能です。
また、グレーン原酒主体のウイスキーなのでハイボールとの相性も抜群。夏の暑い時期はキンキンに冷えた富士のハイボールを甘くスッキリといただくのもおすすめ!
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